オールセラミッククラウン

患者さんの口腔内の審美性に対する要求が高まり、前歯部のみならず臼歯部(奥歯)においても単に機能を回復させるだけではなく、天然歯に近似した形態と色調をもつ修復処置が求められるようになってきました。
その修復材料としては、臨床応用可能な強度を有しているだけでなく審美性、生体親和性など種々の要件を満たす必要があります。
これらを満足しうる材料としては、セラミックスが用いられています。

従来、セラミックスとは堅い材料ではあるものの、脆い(もろい)性質があり以前は金属による補強が必要とされていました。
ところが近年になり、セラミックス材料の研究、開発が進み、金属による補強が不要な高い強度のセラミックス材料(オールセラミッククラウン)が登場してきました。

このオールセラミッククラウンは、光を全く透過しない金属を用いないことから、
最も天然歯に近似した色調と光透過性を実現できる修復物として審美修復領域においては
世界的にも最もポピュラーな方法です。

私自身、大学において20年余、このオールセラミッククラウンに関する臨床と研究に携わってきたことから、自信をもってご要望にお応えすることが出来ると確信しております。
※これは健康保険適用外の治療法です。

オールセラミッククラウン症例

症例1

【術前】

上顎右側前歯に不適合な修復物が装着され審美障害を訴えられている症例。表面の着色は機械研磨し、左側の変色歯に関しては漂白により対応しました。

【術後】

右側前歯にオールセラミッククラウンを装着し反対側と色調、形態を調和させました。

症例2

【術前】

上顎両側前歯2本に不良修復物が装着され審美障害を訴えられている症例。

【術後】

オールセラミッククラウン2本を装着し審美性を回復させた8年2か月後の状態。

症例3

【術前】

上顎左側臼歯に金属の修復物が装着され審美障害を訴えられている症例の術前。

【術後】

オールセラミッククラウン独特の深みのある色調と天然歯と調和した光透過性に注目頂きたい。

症例4

【術前】

下顎右側臼歯3本に装着されているセラミッククラウン症例。人工的な色調のクラウンで自然観に乏しい。

【術後】

新たに製作されたオールセラミッククラウン。

【術後】

機能と調和した形態、色調のみならず天然歯と見分けの付かない自然観に注目頂きたい。

症例5

【術前】

下顎前歯部に形態不良なセラミッククラウンが装着され歯周組織(歯茎)が慢性の炎症を引き起こしている症例。

【術後】

オールセラミッククラウン6本を装着し、審美性を回復すると共に、歯周組織の健康を取り戻した7年4か月後の状態。

症例6

【術前】

上顎前歯4本にセラミッククラウンが装着されている症例。左右の形態に対称性がなく歯茎との境に隙間が存在しています。

【術後】

オールセラミッククラウン4本を装着し、審美性を回復させた4年半後の状態。

症例7

【術前】

上顎前歯6本にセラミッククラウンが装着され歯茎の退縮と共に審美障害を訴えた症例。

【術後】

オールセラミッククラウン6本を装着し、審美性を回復させた5年4か月後の状態。

症例8

【術前】

上顎前歯4本に不良修復物が装着され審美障害を訴えられている症例。

【術後】

オールセラミッククラウン4本を装着し、審美性を回復させた状態。

【術後】

13年2か月後の状態。周囲の歯茎の健康が維持出来ている点にも注目頂きたい。

当医院では、修復直後の審美性を出来るだけ長期に亘り維持安定させるために細心の注意を払いながら治療を行うよう心がけております。

予知性・永続性を考慮することこそが歯科治療に求められる神髄であると考えます。