ダイレクトレストレーション

従来の審美修復治療では、歯を切削して歯型を採り、優秀な歯科技工士さんが模型上でセラミックスのかぶせ物を製作しています。
特に近年では、金属による補強が不要で、高い強度をもつ新しい審美修復材料(セラミックス)の開発が急速に進んできており、口腔内から金属を一掃するメタルフリーの修復法が世界の潮流となっています。
ただこの方法ですと、製作までに日数が必要であり、出来上がったセラミックのかぶせ物の適合性や色調、形態などに問題が生じた場合、すべての患者さんの満足が得られないこともあります。

そのような中で、審美歯科の分野においても最小限の侵襲により最大限の効果を発揮させる MI(ミニマルインターベンション)の概念が注目を集めています。 そのような考え方の中で登場した最先端の修復法が、「ダイレクトレストレーション」です。
これは、臨床的にも優れた物性をもつ、歯と同じ色調の「ハイブリッドコンポジットレジン」と呼ばれる 専用の材料を直接歯に接着させ、歯型を採る必要もなく、その日のうちに最大限の審美性の改善を行える手法で患者様の審美的要求に十分応えられる修復処置として世界的にも注目を集めています。

ダイレクトレストレーションの適応は広範囲に及び、健全な歯を可能な限り削除することなく即日に高度な審美的成果を得ることが可能であり、治療中もまったく患者様のQOLを損なわない現在の審美修復治療に求められるテクニックであります。ただし、このテクニックは、健康保険適用外の治療となります。

尚、歯の色調、透過性、形態は千差万別で、基本的には、即日に終了する施術ではありますが、症例によって、後日修正、再施術する場合がございますので、遠慮なくお気軽にご相談下さい。

ダイレクトレストレーション症例

症例1

【術前】

上顎右側犬歯表面に広範囲にわたって樹脂により修復されているものの、光沢が失われ歯質との辺縁に着色が認められている症例。

【術後】

ほとんど歯を削らずに修復し、色調と光沢を残存天然歯と調和させ、即日で審美性を回復した状態。

症例2

【術前】

上顎右側前歯の角が転倒により破折した症例。

【術後】

ほとんど歯を削らずに修復し、形態と色調を残存天然歯と調和させ、即日で審美性を回復した状態。

症例3

【術前】

上顎右側犬歯に修復されている樹脂の変色と前歯が破折した症例。

【術後】

ほとんど歯を削らずに修復し、形態と色調を残存天然歯と調和させ、即日で審美性を回復した状態。

症例4

【術前】

正中に隙間が空いている症例。

【術後】

全く歯を削らずに修復し、形態と色調を残存天然歯と調和させ、即日で審美性を回復した状態。

症例5

【術前】

上顎前歯数カ所に隙間がある症例。

【術後】

全く歯を削らずに修復し、形態と色調を残存天然歯と調和させ、審美性を回復した状態。この症例は、1回の来院で1箇所の隙間を修復しているため、実日数は5日要しています。

【術前】

術前の口元の状態。

【術後】

術後の口元の状態。

症例6

【術前】

上顎左側前歯が大きく破折し、その両側の歯にも樹脂が修復されており変色を認める症例。

【術後】

ほとんど歯を削らずに残存歯に調和した色調を選択し、あえて意図的に着色を施し、即日で自然観を表現しました。

症例7

【術前】

下顎左側臼歯に部分的な金属で修復されている症例。

【術後】

元々の天然歯の形態と色調に調和させ即日で審美性を回復した状態。

症例8

【術前】

下顎左側臼歯に部分的な金属で修復されている症例。

【術後】

元々の天然歯の形態と色調に調和させ即日で審美性を回復した状態。